2009年10月15日木曜日

世界経済はこう変わる

2009年5月に出版された「世界経済はこう変わる」を読んだ感想を述べます。
著者は小幡績氏と神谷秀樹氏の対論形式で著述されております。

小幡氏は大蔵省出身の慶応大学の准教授で神谷氏は住友銀行からゴールド
マンサックスそしてブティック系の投資コンサルティングを日米で立ち上げ国際
的に活躍をしております。

これまで小幡氏は「すべての経済はバブルに通じる」などで一躍脚光を浴びて
おりますし、神谷氏も実業の傍らに著述業も行い、「強欲資本主義ウォール街
の自爆」などいくつか本も出されております。

この2人が現在の世界経済の状況に語り合った本が「世界経済はこう変わる」
です。内容はサブプライム問題からリーマン・ショックまでの世界経済の分析を
語られております。

もはや、これまで金融システムは崩壊し、基軸通貨存続の危機にあるという彼ら
の話には説得力がありますが、果たして資本主義が彼らが言うように変貌するか
どうかに疑問を感じないわけにはいかない。

小幡氏も神谷氏もノスタルジックにひたり、かつて良きスタイル(伝統も含めて)
に回帰させたがったいるが、そう簡単にこの強欲資本主義が終焉するとは思
えない。これまでの金融システムが崩壊したとしても、あらたな強欲資本主義
が勃興するだけのような気がします。

小幡氏は中国に期待するかのような発言をしておりますが、そこまでアメリカが
没落するとは思えません。仮にアメリカが没落したら、日本が一番影響を受ける
でしょう。

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