2009年10月17日土曜日

数字に弱い日本のマスコミ

今日ネットで配信されたYOMIURI ONLINEの記事の数字が気に
なったので全文を掲載します。

橋下知事批判メールに反響700件、賛否半々 (読売新聞)

 大阪府の橋下徹知事が今月8日、全職員に一斉送信したメールに
批判的な返信をした女性職員を、「トップに対する物言いとして常識を
逸脱している」として厳重注意処分にしたことに対し、これまでに市民の
意見として府に寄せられたメール、電話の反響が約700件に上った。
 「社会人の常識がなく、処分は当然」「上司に意見を言う人間を大切に
しないと、組織は硬直する」。賛同派と批判派はほぼ相半ばしており、
思わぬ〈批判メール論争〉が起きている。
 市民からの意見は、女性職員が処分された8日には177件、翌9日は
1日の意見件数としては今年最も多い301件に達した。16日午後5時ま
でに計692件に上り、このうち処分に肯定的な意見が413件、批判は
279件だった。
 知事に賛同する人たちからは「職員全員に社会常識を再教育すべきだ」
「民間企業では上司と考え方が違う場合、失礼のないように意見し、通らな
ければ身を引くしかない」などの意見があった一方、「処分までは大人げない」
「意見を求めながら、内容が気に入らないからと処分すれば、誰も意見を
言わなくなる」といった知事批判もあった。
 ふだん府に寄せられる意見は女性や中高年が中心だが、今回は6割以上
が男性で、30歳代と40歳代がそれぞれ100件を超えた。府の担当者は
「これだけ賛否が分かれる反響は初めて」と話している。

[ 2009年10月17日18時14分 ]

この記事からタイトルを創造できる新聞記者の感覚がわからない。

この記事では肯定意見413件、批判279件でなぜか「賛同派と批判派は
ほぼ相半ばしており」と結論づけている。合計値692のうち、肯定は約60%
で批判は約40%です。そして結論を賛否半々としています。 しかも丁寧に
{府の担当者は「これだけ賛否が分かれる反響は初めて」と話している。}と
して他人に責任を転嫁できるような結びまで用意している。

もしかすると読売新聞は算数が苦手な人間が多いか民主主義の多数決が
嫌いな人が多いのかも知れないが、これでは日本の算数の学力が低下して
いるなど批判も出来ないし、民主主義を標榜もできない。府の担当者のコメント
でどうにか自分からの意見ではないと言っているように聞こえる。

多分、マスコミが算数が苦手というより、自分の都合の良い、もしくは自分が
書きたい記事に数字を合わせたいのだろう。

これが麻生政権に対しての記事なら、支持しないが60%で支持が40%なら
躊躇なく、見出しは麻生政権を支持しないが60%に上ると大々的に記事を
掲載することだろう。 

別に読売だけがこのような記事を書くのではなく、多くのマスコミが数字を自分
の都合のよい解釈で記事しているので、別段取り立てていうことでもないかもし
れないが、風説の流布という先ごろ話題になった言葉が記憶に蘇った。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿