2009年5月28日木曜日

野中広務研究1

以前、小沢一郎について書いたが、今や引退して過去の人になりそうな
野中広務について考察してみたい。

すでに、野中に関しては魚住昭『野中広務 差別と権力』に詳しく書かれている
のでそれ以外に言及したい。

野中がテレビに出演した際の光と影もしくは善と悪の両面を見せ付けてくれて
事である。 

光のシーンとは2001年8月にニュースステーションに出演し、靖国参拝に対
する発言である。 久米宏を篭絡するあたり、さすがといわざるを得ない。
野中自身の体験を踏まえ、靖国が先の大戦に反省していないため首相による
靖国参拝はしてならないというものである。 聞いていて正直、後藤田より説得
力がある。そして、多くのサヨク(リベラル)の人達の心に響いたはずである。

とは言え、私個人的には行きたい人は行けばいいし、行きたくない人は行かなく
てもいいという考えから、野中の発言には賛同できなかった。

ここで、久米あたりが心底、感化されている姿に興ざめした。 高校生くらいに
観たTVスクランブルという番組で、久米が当時の自民党幹事長、二階堂に
向かって「選挙に負けたらハラ切りますか」というの聞いて本当に下品な人だ
と感じた。

そしてニュースステーションでの久米宏のニュースショーにはうんざりさせられる
ことが多かったので野中に鋭い突っ込みが入れないキャスターの限界を見た。

野中は国旗国家法の推進時のキーパーソンであることは知っているはずなのに
やはり、リベラル(サヨク)は甘いなと感じた。

逆に野中の凄さなのかも知れない。 彼はある意味両極端のことを平気で出来、
悪魔と呼んだ小沢とも手を握り、公明党と対決したか思えばすぐに協力関係も
構築できる稀代のマキアヴェリストといって過言ではない。

そして、もうひとつが「加藤の乱」のとき、サンデープロジェクトで加藤紘一を恫喝
するシーンである。  まさに野中の真骨頂というべき政治手法である。裏では
加藤と同じ派閥の古賀誠を使い、切り崩しが終わった後、テレビ番組で加藤の
非を責める2段階戦法である。 この中で野中は加藤を諭すようにそして威嚇
するよう加藤を落としていった。

このとき、テレビで見たとき、加藤紘一が政治家失格という事がわかった。
そして、谷垣あたりに「あなたが大将なんだから」と言われて加藤の乱を終息
させた記者会見のシーンは、加藤ならびに谷垣も醜悪に思えた。

政治家にとって一番必要な強い精神力(悪に対してもひるまない姿勢)が加藤
や谷垣にはないと感じた。

この野中も結局、小泉政権時に権力闘争に負けて引退するのだが、村岡あたり
に罪をなすりつけて引退するあたり野中広務ここにありと言えるだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿