2009年9月14日月曜日

無線LAN「IEEE 802.11n」のフル規格が正式制定へ

マイコミジャーナル 2009/9/14より

米国電気電子学会(IEEE)は9月11日(米国時間)、同標準化委員会
が無線LAN規格「IEEE 802.11n-2009」を承認したと発表した。現行
で市場に出回っている802.11n製品は「IEEE 802.11n-2007」をベース
としたDraft 2.0を準拠としたもので、通信速度100Mpbsオーバーを
うたっているが、今回承認された802.11n-2009をベースにしたフル規格
の802.11nでは理論上の最大速度で600Mbpsに達する。

仕様策定開始から7年近くが経過した802.11nだが、ようやく最終仕様
へと到達することとなった。802.11nと従来無線LAN通信方式との
大きな違いは、MIMO(Multiple-Input, Multiple-Output)方式による
デュアル(もしくはトリプル)の受送信アンテナを搭載したことにある。
複数アンテナにより通信の安定性が増したほか、チャネルボンディング
(チャネル合成)と呼ばれる2つのチャネル(1チャネルは20MHz)を
組み合わせる方式で、1チャネル時のおよそ2倍の速度での通信を
可能にする。

現行で市場に出回っている802.11nは「Draft N」の名称で呼ばれており、
1チャネル時で最大150Mbps、2チャネル時で最大300Mbpsでの通信が
可能とされているが、今回標準化が承認されたフル規格の802.11nでは
1チャネル時で最大300Mbps、2チャネル時で最大600Mbpsの理論速度
に達する。なお、チャネルボンディングは国によっては利用が承認されて
おらず、その場合は1チャネルでの通信のみが利用できる。また2.4GHzと
5GHzの両帯域での通信に対応しており、うまく使い分けることで既存の
802.11b/gの通信と共存したり、より安定な通信を実現できる。

今後出荷開始される無線LAN対応製品の多くは、この802.11n-2009を
ベースにしたチップを搭載して登場することになる。また既存のDraft 2.0を
ベースにしたPre-802.11n製品群についても、その多くはファームウェアの
アップデートで対応可能とみられる。

ようやく次期無線LANの規格が決まりそうです。 ITにおけるインフラの
性能向上はユーザーにとって何よりと言えます。

0 件のコメント:

コメントを投稿